膠原病リウマチ内科ってどんな診療科?
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膠原病リウマチ内科ってどんな診療科?
~全身を診る、免疫の専門家~
このたび、当院では「膠原病(こうげんびょう)リウマチ内科」を新たに標榜し、ホームページにも当科の診療科案内を掲載いたしました。
さて、この「膠原病(こうげんびょう)」という言葉。皆さん耳にしたことはありますか?
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)など、実は身近な病気がこの中に含まれています。
これらの病気を専門的に診る診療科が「膠原病リウマチ内科」です。
また、膠原病にリウマチという名前がくっついていますが、この関係性を簡単に説明すると、
膠原病という広い病気のくくりがあり、その中にある1つの病気がリウマチになります。
そして、このリウマチは膠原病の中でも患者数が多く、比較的よく知られている病気のため、「膠原病リウマチ」と統合して表記することも多いのです。
膠原病とは?
膠原病とは、本来身体を守るはずの「免疫」の働きに異常が起きて、自分の身体を誤って攻撃してしまう「自己免疫疾患」の総称です。関節、皮膚、内臓、血管など、全身に炎症が起こるため、症状は多岐にわたります。
代表的な疾患には以下のようなものがあります。
・関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス(SLE)
・強皮症
・多発性筋炎/皮膚筋炎
・シェーグレン症候群 ・血管炎症候群 など
なぜ専門科が必要なの?
膠原病は、関節や皮膚はもちろん、肺や腎臓、神経、血管などにも症状が現れることがある「全身疾患」であり、その診断・治療には幅広い知識と豊富な経験が求められます。
初期には、発熱・関節痛・倦怠感・皮膚の異常など、いわゆる「風邪のような症状」で始まることも少なくありません。
膠原病を正しく診断するには、血液検査や画像検査、身体所見、病歴などを総合的に評価する必要があります。さらに、膠原病の種類によって治療法が異なるため、専門的な視点での診断と継続的な管理が不可欠です。
このような理由から、膠原病が疑われる場合は、膠原病を専門とする医師の診察を受けることがとても大切なのです。
専門的な検査や高度な治療が必要となる場合は、いわゆる大きな病院などの高度医療機関でしか対応できないケースもあります。
そのため、当院では対応が難しい場合もございますが、その際は近隣の専門医療機関と密に連携し、適切な診療が受けられるようサポートさせていただきます。
どんなときに受診すべき?
以下のような症状が続く場合、膠原病の可能性があります
・長引く原因不明の発熱
・朝のこわばりを伴う関節の痛み・腫れ
・手足の冷感・色の変化(レイノー現象)
・慢性的な疲労感・体重減少
・皮膚に繰り返し出る発疹
・口や目の乾燥
膠原病は早く見つけて治療を始めることで、進行を抑えたり、日常生活への影響を減らしたりすることができます。少しでも気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
そしてこれらの中でも、関節の症状は、最もよく見られる初発症状の一つであり、代表的な疾患が「関節リウマチ」です。
次回予告:もっと知りたい「関節リウマチ」
温泉や銭湯の文化が根付く鹿児島では「関節リウマチ」という言葉を目にしたり耳にしたりする機会も多いかもしれません。
よく見聞きするけれど、実は良く分からない。
そして膠原病の中でも最も患者数の多い「関節リウマチ」。
次回のコラムでは、この「関節リウマチ」に焦点を当ててご紹介します。
監修:重水早苗
日本リウマチ学会_リウマチ指導医・専門医
日本内科学会内科認定医、総合内科専門医