関節リウマチって?
- 医療コラムカテゴリー
前回の医療コラム記事にて
https://www.nissyoukai.or.jp/column/566/
膠原病リウマチ内科の概要についてご紹介しました。
今回は当科の中で最も患者数の多い「関節リウマチ」についてご紹介します。
関節リウマチってどんな病気?
温泉の効能などでもよく耳にする「関節リウマチ」。
「手足が少し痛む病気」「年齢を重ねれば誰でもなる関節の痛み」といったイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし、医学的にいう「関節リウマチ」は、『免疫』のはたらきに異常が起き、関節に炎症が続いてしまう病気です。
本来、私たちに備わっている『免疫』は、ウイルスや細菌を攻撃し、体を守ってくれる頼もしい仕組みです。ところが関節リウマチでは、この『免疫』が攻撃対象を勘違いして、自分の関節を攻撃してしまいます。その結果、関節が腫れて痛み、放っておくと軟骨や骨が壊れてしまうこともあるのです。
どんな症状が出るの?
関節リウマチの特徴的な症状は次のようなものです。
・朝のこわばり:朝起きたときに手がこわばって動かしにくい
・関節の腫れや痛み:指や手首、足首などに腫れ・熱っぽさを感じる
・疲れやすさ:体全体がだるく、疲れやすい
これらは「ちょっと年齢のせいかな?」と見過ごされることも多いのですが、続くようなら一度受診することが大切です。
関節リウマチの診断について
関節リウマチは、簡単な検査だけで「はい、リウマチです」とすぐに分かる病気ではありません。正確に診断するためには、綿密な検査が必要になります。
まずは、これまでの症状や経過を丁寧にうかがう「問診」がとても大切です。
そのうえで、レントゲンやMRI、関節エコーなどの画像検査で骨や関節の状態を確認したり、血液検査でリウマチに特有の反応を調べたりします。
こうした複数の検査を組み合わせて、総合的に診断を行います。
そのため、初期診断では、より詳しい検査や専門的な判断が必要となることが多く、必要に応じて鹿児島赤十字病院や今村総合病院などの、連携する専門機関へご紹介することがあります。
関節リウマチの治療について
関節リウマチの治療は、ここ数年で大きく進歩しています。
以前は「リウマチになると関節がどんどん変形してしまう」と思われがちでしたが、今は薬の進化によって、早い段階で治療を始めれば、症状を改善したり、進行をぐっと遅らせたりできるようになりました。
治療の中心となるのは「薬」です。飲み薬に加えて、自己注射や点滴など、免疫の異常をコントロールする薬も登場し、多くの方が関節の痛みや腫れを抑えて普段どおりの生活を送れるようになっています。
また、リハビリテーションを行うこともあります。関節を守るような動かし方や筋力を維持する運動を取り入れることで、生活のしやすさが大きく変わってきます。
大切なのは、できるだけ早く診断し、治療を始めること。
関節リウマチは、早めに見つけて治療を始めれば、しっかりコントロールできる病気です。
「朝起きると手がこわばるな…」「関節が腫れてるかも?」と気になることがあれば、ご遠慮なくご相談ください。
診療科ページ:https://www.nissyoukai.or.jp/outpatient/rheumatology/
監修:重水早苗
日本リウマチ学会_リウマチ指導医・専門医
日本内科学会内科認定医、総合内科専門医